2009年9月発行 社会保険労務士丸山事務所 通信
助成金、奨励金は融資と違って返さなくてもよいお金です。あまり苦労しないで頂けるならば貰って損はありません。
定年齢の引上げで10万円~160万円
定年齢の引上げや継続雇用制度の導入した会社に10~160万円を支給する制度が、「中小企業定年引き上げ等奨励金」です。
高齢者の活用は今後の会社経営において重みを増し、定年の延長や継続雇用制度は避けて通れません。法制度もそれを後押しします。それならば、この機会に先取りして多少なりとも支給金を受けとることはメリットある選択です。
ポイントは導入前と導入後の改善巾
この制度では、会社の規模や制度の導入前と導入後の改善巾によって支給額が決められます。支給を受けるためには、
- 導入前の状態を評価します
- 会社にあった勤務体系の青写真をつくり、必要ならばこれに合わせて就業規則等を改正します
- 申請します
導入前の状態の評価は大切です。特に未だ就業規則等で定年を規定していない会社にとっては、就業規則等の制定から始めることになります。10名未満の会社は就業規則か、それに代わる文書を作ることになります。ここで作成する就業規則等が導入前の状態になります。つまり、就業規則等がない会社は、導入前の状態を一度作り、一年間以上運用した後に再度定年引き上げの就業規則等を作って支給の申請をすることになります。
導入前は60歳~64歳の定年の定めを
もう一点付け加えます。
導入前に「60歳以上64歳以下の定年の定めをしている」状態が一番支給額を多くすることが出来ます。これから就業規則等を制定するときには、まずこの点を押さえて下さい。次に高齢法(高年齢者の雇用の安定等に関する法律)の第8条と第9条の遵守が求められます。具体的には平成22年3月末までは63歳以上、平成25年3月末までは64才以上を基準とする継続雇用制度があることが求められています。これから導入前の規則を作る場合には、64歳までの定年制度か継続雇用制度が必要になります。
すでに、定年制度や雇用継続制度を導入してある会社は、新しい制度を導入してから一年以内に支給申請をすることが必要です。
就業規則は社員に周知を
この制度で支給を申請しますと、就業規則の周知状況の現地調査があるようです。社員が就業規則に対してあまりにも無知であったり、制定してあることも知らなかったりすると支給が却下されることがあります。この制度に限らず、就業規則の周知は必須です。
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