親睦会

Q: 弊社では入社時に全員加入し、同時に会費を給与より天引きする「親睦会」制度があります。会費は、慶弔金や退職慰労金などに使います。ある社員から、退会したいとの申し出がありました。どのように対処をすればいいでしょうか。
 

A: 親睦会規程に基づき退会を認めない、あるいは規程を改正して希望者だけの親睦会にするとの2つの選択肢があります。

(1)退会の是非
貴社の親睦会規程第○○条に「入社した月より会員となり、死亡、退職したときは翌月に会員資格を失う」旨の規定があり、他に退会の規定はありませんので、文面からは退会不可になっていると判断できます。

従って、現行規程をよりどころに、「退会」不可で対応することは可能です。

ただし、強制加入の有効性を裁判で争われたときは、判例が見つからないので有効無効の予測はできません。

(2)親睦会規程の改正
私が就社した昭和40年代頃では親睦会に加入することが普通で何の疑問も抱きませんでした。しかし平成を経過し令和となった現在では色々な価値観、考え方の社員がいます。

本来は社員相互の親睦を図るための制度なのに、退会したい社員の希望を拒否することで職場の雰囲気が悪化するようでは本末転倒です。ここは希望者だけが加入する親睦会規程に改正することも選択肢の一つです。

希望者だけになると、慶弔金、退職慰労金の支給対象者が変わってくるので、就業規則第○○条(慶弔金および見舞金)の規定に若干の修正が必要になるかもしれません。

(3)法的要件
親睦会費の給与からの天引きは労働基準法の全額支給の原則に違反するとの意見があります。これに関しては、締結された「賃金控除に関する労使協定」の中に親睦会会費を控除する旨の記載があれば会費の給与からの天引きは労働基準法違反になりません。

(2023年10月)

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