国民の祝日

Q: 今年の5月連休は、天皇の即位が祝日となった関係で10連休になると報道されています。弊社も10連休にしなければならないのでしょうか。ちなみに就業規則で会社の休みは、①土日曜日、祝日、②夏季休暇、年末年始休暇、③その他、会社の指定する日となっています。

A: 必ずしも10連休にする必要はありません。

祝日を決めているのは、「国民の祝日に関する法律」です。この法律は、国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づけるとしているだけで、この日を休日とする義務を会社に課しているわけではありません。労働基準法にも労働契約法も、国民の祝日を会社の休みとはしていません。 祝日を会社の休みとしているのは、会社と社員との労働契約です。就業規則は法規範性を有しているために労働契約の一部になります。御社の就業規則に会社の休みは、①土日曜日、祝日と規定されていますので、これに該当する日は当然に会社の休みとなります。平成31年5月1日は、昨年12月14日に公布され同日施行された「天皇の即位の日および即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」により休日とされ、この日は「国民の祝日に関する法律」に規定する国民の祝日に適用するとされました。従って御社の就業規則によれば、5月1日は祝日なので、この日を会社の休みとしなければ労働契約違反となります。

ところで、「天皇の即位の日および即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」は「10連休法」と言われています。その意味は、5月1日が祝日となることで、その前後の2日間が祝日に挟まれた日なので「国民の祝日に関する法律」第3条第3項の規定によりで休日となり、その結果4月27日(土)~5月6日(月)までの10日間が土日曜日、祝日、休日となるためです。これらの日が当然に会社の休みとなるのは、就業規則で土日曜日、祝日に加えて「国民の祝日に関する法律」で休日とされる日を会社の休みとしている会社に限った話です。 御社の様に、①土日曜日、祝日を会社の休みとしている会社では、4月30日や5月2日や、国民の休日が日曜日に重なり振替休日とされている日は祝日ではないので、会社の休みとする労働契約がそもそもありません。もし今まで振替休日や祝日で挟まれた日を会社の休みとしていたとすれば、それは、③の「その他、会社の指定する日」として会社の休みとしていたものでしょう。

  御社の就業規則では、5月1日は原則として会社の休みになります。ちなみに、「業務の都合で休日を他の日に振り替えることができる」旨の規定が就業規則にあれば、5月1日を他の日に振り替えたとしても労働契約違反にはなりません。

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