退職代行業者

2020年 9月

Q: 退職届が退職代行業者から届き、給与の振込みと退職証明書を求められました。どのようにすればよいでしょうか。給与は現金手渡しです。

A: まずは退職の可否を確認してからです。給与を振り込む必要はありません。

退職届が本人の意思によるものであることの確認が必要です。退職届に署名や押印がないときは、電話等で本人に直接確認を取ることをお勧めします。

本人の意思であったとしても勝手な時期に退職できる訳ではありません。

期間を定めた雇用契約のときは、期限終了までは退職できません。

期間の定めのない雇用契約ときでも、申し出てから14日間は退職できないし、給与が月給制のときは、退職できるのは次の給与算定期間の開始以降になります。更に申し出は退職の15日以上前にしなければなりません。

上の確認が取れたときは、退職日を過ぎてから退職証明書を交付することにします。

給与は現金手渡しで行っていたのであれば、振り込む義務はありません。給与支払い日以降に取りに来るのを待つだけです。退職日以降に支払い請求があったときは、請求日から7日以降いつ来ても支払得るように用意をしておきます。

本人に代わって退職代行業者が給与を取りに来ても支払ってはいけません。労働基準法は給与の本人への直接支払いを求めています。業者に支払っても後で本人から支払いを請求されると2重に支払う羽目になることもあります。

本人が入院等で来社できないときに家族が本人の印鑑を持参し、本人名義で受領するときは、「使者への支払い」として例外的に支払いが認められていますが、業者は他人ですので認められていません。

退職代行業者が弁護士資格のない業者のときは代理人になれないので本人に代わって会社と交渉することは非弁行為として弁護士法違反です。そのような業者が交渉を求めてきたときは警察あるいは弁護士会に通報します。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。

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