人の採用は難しいものです。どんなに採用試験を重ねても、ある意味では最後は運に任せるということが実情ではないでしょうか。「キュービック(Cubic)」は人の潜在的に持っている適性を検査すること目的として開発された適性検査のシステムです。「キュービック」によって応募者が会社に合う人であるか否かがかなりの精度でわかると言われています。
「キュービック」とは
「キュービック」は、人材評価や組織分析を10年以上の歳月を掛けて研究し、その成果を結実したシステムです。キュービックは形容詞で「立方体の」です。適性検査キュービックは、その名称のように人物や組織を「立体的に見る」ことを基本にしています。1980年代に不況に陥った大手鉄鋼メーカーと慶應義塾の先生が協力して研究を始めたことに端を発した純国産のシステムであることも特徴の一つです。
検査方法は
「キュービック」は、採用時の応募者と既に社員として活躍している人の両方の人の検査ができます。採用時であれば応募者に123問、社員であれば193問に答えてもらいます。選択肢の中から最も近いと思われる番号を選ぶだけですので、回答時間はそれぞれ概ね20分と30分です。これをコンピュータに掛けることにより、ものの数分で検査結果がでます。
検査結果は
人物や組織を「立体的に見る」ことを基本とするシステムですので、検査結果は多彩です。「どういう性格・パーソナリティー」では、思索型、活動型、努力型、積極型、自制型の5つの型ごとに2つの性格側面に分けた10項目について0から100の指数で性格が表わされます。例えば、活動型の「機敏さ・気軽さ」の強い人にはこの指数が大きく、同型の「感情のままの行動」が低い人にはこの指数が小さくなります。その人の長所、短所に関しては簡潔なコメントが付けられますから、非常にわかりやすい検査結果となっています。更に、「関心事・興味分野」、「職場場面での社会性」、「意欲・やる気を出す場面」の分析結果があり、最後に判定結果として仕事への適用性や配置適性分野が示されます。
どのように使うか
時間が許すならば、応募者に「キュービック」を受けて貰い、その結果を見ながら面接試験をすることが効果的です。例えば、面接時に活気があるように見えても、会社に入ってから気分のムラがありすぎる、相手の立場に立って考える姿勢に乏しい等の理由で困ることがあります。データを見ながら面接をすることにより、このような側面を慎重に確認することができます。
社員のデータが揃っているときには、その検査結果を基に、会社あるいは職種に合った採用基準を独自に設定することもできます。
「キュービック」は、取っ付き易いにもかかわらず、大変奥深いシステムです。
今回は、適性検査システム「キュービック」の概要と、採用試験への利用方法を紹介しました。
参照: キュービックによる適性検査