診断書の費用負担

Q: 就業規則に「連続4日間の欠勤をしたときは診断書の提出を求めることがある」と規定しています。診断書を求めたときの費用は会社負担ですか、本人負担ですか。

A: 会社負担が妥当と判断します。

今回の問題に対して、法的側面、雇用契約上の解釈等を検討しました。 会社と社員のどちらが診断書の料金を負担するとの法令上の規定はありません。 雇用契約に伴い就業規則の記載事項が契約条件の一部となります。会社が欠勤者に診断書の提出を求めることには次の理由があり、これは合理的な理由と考えられますので社員に診断書の提出義務が生じていることは問題ありません。

  • 回復程度の把握。これにより労働強度の調整是非を判断する
  • 伝染病のときは、感染防止対策の必要性を把握する

しかしながら社員に料金負担が当然に付随するとは考えられません。

  • 社員には診断書を提出することにより得られる利益がない
  • 会社は診断書が提出されたことによって利益を得たと考えられる

このように利益を受けるのは会社です。利益者負担の原則からも、会社が料金を負担することが妥当と考えられます。 就業規則に「診断書の料金は社員が負担する」の文言を入れることはできます。しかし、これが有効となるには社員に診断書の料金負担の不利益を課すことに対しての合理的な理由が必要になります。合理的な理由ができなければ、この規定は無効になる可能性が高いと言えます。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。

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