6月号 有給休暇の付与日数

有給休暇は良く知られた制度ですが、付与日数に関しての問い合わせが多くあります。今回は、有給休暇の付与日数について整理してみます。

付与日数の原則

労働基準法では雇用から6ヶ月で10日、その後1年ごとに1日または2日ずつ増えて、雇用後6年6ヶ月以上で毎年20日の有給休暇を付与する規定があります。これが付与日数の原則です。

この原則に関わらず、週の労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日が4日以下または年間の所定労働日数が216日以下のパートタイマーには、所定労働日数に応じて有給休暇を比例付与する規定が設けられています。

週の所定労働日数が決まっていないとき

業務の繁閑に応じて勤務日を決めるために、雇用契約で所定労働日数が明確でないケースがあります。このときの有給休暇の付与日数は労働基準法には決められていません。決められていないからと付与しない訳にはいきません。法文を厳密に解釈すると、原則付与の適用を否定できないからです。とはいえ、週に1日か2日の不定期に勤務する人の有給休暇日数が、週に3,4日を所定労働日として働いている人より多いとするのは余りに不公平です。そこで、所定労働日数が決まっていないときは、便宜的に初年度ならば6ヶ月間、その後であれば1年間の実績勤務日数に応じて比例付与することがよく行われています。法律の裏付けのない方法ですが、妥当性はあります。

定年退職後の嘱託勤務者

定年退職後、引き続いて嘱託社員等で勤務するとき、退職で勤務年数が一旦リセットされるとしている会社があります。これは間違いです。正社員から嘱託社員に変わっていますが、これは単に雇用形態が変わっただけで雇用は継続しています。ですから、有給休暇の付与日数は、雇用からの年数で決まります。正社員のときに付与された有給休暇は嘱託社員となってもそのまま使えます。

有期契約社員の勤務年数も、契約更新時にリセットすることはできません。

バイトを正社員に採用したとき

正社員に採用したからと言って、直ちに正社員としての原則通りの有給休暇を付与する必要はありません。たとえば、週3日のバイトとして雇用したのが正社員に採用する1年前のときは、あと6ヶ月、つまり雇用後1年6ヶ月までは正社員の有給休暇日数10日でなく、バイトのときに付与した5日のままで良いのです。

逆に、勤務形態が変わって週の所定労働日数が減ったときも、既に付与した有給休暇を減らすことはできません。

欠勤が多いとき

有給休暇の付与日数は勤続年数と所定労働日数で決まりますが、付与日の前1年間(または入社後6ヶ月)の出勤率が80%未満のときは付与しなくても良いことになっています。ただし、有給休暇の取得日、業務上の怪我等での欠勤日、産前産後の休業期間、育児・介護期間等は出勤率の計算上は出勤したものとして扱うことが法律で決まっていますので注意が必要です。

トラブルを回避するために

有給休暇は社員にとって給料の次に関心の高い労働条件の1つです。有給休暇に関して少しでも疑問があるときは、直ちに専門家に問い合わせすることをお勧めします。

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