Q: 2022年1月から兼業をしている高齢者が雇用保険に加入できる制度が始まると聞きました。会社がしなければならないことはありますか。
A: 手続は本人が行いますが、会社は就業の証明や保険料の徴収その他の業務が課せられています。
今年2022年1月から雇用保険マルチジョブホルダー制度が施行になります。65歳以上で貴社での所定労働時間が週20時間未満であっても兼業により合計20時間以上であれば希望者は雇用保険に加入できる制度です。手続きは本人が行いますが、会社は次の業務が必要です。
(1) 資格取得時
- 雇用保険マルチジョブホルダー雇入・資格取得届への事業主記載事項の記入
- 賃金台帳、出勤簿等の確認資料の交付
(2) 加入期間中
- 保険料の徴収
- 保険料の納付(通常の雇用保険被保険者のときと同じ)
(3) 資格喪失時
- 雇用保険マルチジョブホルダー雇入・資格喪失届への事業主記載事項の記入
- 依頼により離職証明書の作成
- ハローワークから交付される事業主控の保管
マルチジョブホルダー制度への取得・喪失手続きは本人が行いますが、本人が死亡したときの喪失手続きは例外的に会社が行うことになっています。
蛇足ですが、マルチジョブホルダー制度を利用しようとする社員に退職を迫ったり給与を下げたりする不利益行為は禁止されています。
(2022年 1月 回答)