7月号 試用期間中の解雇

2017年7月(第98号)

社員を採用したのにかかわらず、期待した働きをしてくれないときがあります。時間を掛けてでも向上が見込まれるときは様子を見ますが、それも期待できないときは、最終的に解雇せざるを得なくなります。今回は、このような入社間もない試用期間中の解雇についてまとめてみます。

労働基準法の規定

解雇に対する労働基準法の規定は、手続きに関しるものです。解雇は30日前に予告することが原則です。もし、予告期間が30日に満たないときは、不足している日数分の解雇予告手当を支払うことで、解雇することができます。
更に例外として、①日々の雇入れ、②2ヶ月以内の雇用、③季節的業務で4ヶ月以内の雇用、④試しの使用期間中、更に⑤労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受けたときは即時解雇が可能です。ただし、④は入社から14日を超えたときは、原則通りの規定が適用されます。
ところで、試用期間中の入社14日以内であれば会社は自由に解雇をすることができると解釈している方がいます。労働基準法違反ではありませんが、決して問題なしでは済みません。

試用期間とは何か

筆記試験や面接だけで、その者の適不適を的確に判断することは困難です。そこで、実際に期間を定めて勤務させて適性を判断する期間が試用期間です。適性を判断する期間ですから、不適であることが判れば、本採用を拒否、すなわち解雇することができるのが、試用期間の特性です。
それでは試用期間中は、理由を問わず自由に解雇できるか。この点もよく誤解されるところですが、自由に解雇できる訳ではありません。適性を判断するための期間ですから、採用試験段階で分かっていた事由や、適性以外の事由で解雇することはできないことが原則です。

労働契約法の規定

労働契約法第16条は、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は権利を濫用したものとして無効となります」と書かれています。試用期間中も、この規定は適用されます。ただし、社会通念上相当と認められる敷居が相当に低くなっているとされています。「社会通念上相当と認められない」とは、「そんなことで解雇してはいけないでしょう」ということです。正社員であれば、たった一回の軽微な違反や失敗を理由に解雇することは困難ですが、試用期間中では認められることがあります。

トラブルを防ぐために

会社に不適な社員、すなわち問題社員の入社を防いだり、会社から排除したりすることは大切なことです。筆記試験や適性テスト、何次かに亘る面接で問題社員を見つけることが出来ればよいのですが、中々そうもいきません。そこで、試用期間を設ける意味があります。
雇用契約書あるいは労働条件通知書に、①試用期間の長さ、さらに就業規則に、②試用期間を延長する要件、③本採用しない要件を明記しておくことがトラブル防止のために重要です。
縁あって入社した社員ではありますが、問題社員のために会社から排除することしか選択肢がないとなれば、迅速に退職勧奨または解雇することが経営者に求められます。

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