6月号 ホワイト企業認定

2021年 6月(第145号)

くるみんマークや健康経営優良法人認定のように国が会社を一定の基準で審査して認定する制度はいくつかあります。 今回取り上げたホワイト企業認定は民間機関が行っている認定制度です。その特徴、認定基準等を紹介します。

ホワイト企業認定とは   

多くの認定制度が国の行政機関が主体となって行っています。例えばくるみんマークは厚生労働省が次世代育成支援対策推進法に基づいて少子化対策や子育て支援に関係する認定基準を設けています。健康経営優良法人認定制度は、経済産業省が健康増進に積極的に取り組んでいる企業を顕彰する制度です。

これに対してホワイト企業認定は民間の一般財団法人日本次世代企業普及機構(通称:ホワイト財団)が、以下で説明する7つの指標を総合的に評価して認定する制度です。つまり会社を子育て面や健康活動面という1面ではなく会社を多面的に評価する制度になっています。

ホワイト財団の考えるホワイト企業とは   

ホワイト財団はホワイト企業をブラック企業の反対とは考えていません。もちろんブラック企業はホワイト企業認定を取ることはできません。ホワイト企業とは、①長期のわたって健全な経営を継続できる、②社員が安心して働き続けられる、③時代のニーズに合わせた社員の働き甲斐を高く保つ、の3要素を併せ持った会社で、「次世代に残すべき素晴らしい企業」、「家族に入社を勧めたい会社」としています。

7つの指標   

会社を多面的に評価するために次の7つの指標を採り、トータルな健全性を評価しています。

  1. ビジネスモデル・生産性
  2. ダイバーシティ&インクルージョン
  3. ワーク・ライフバランス
  4. 健康経営
  5. 人材育成/働きがい
  6. リスクマネジメント
  7. 労働法遵守

ホワイト企業であるためには、安定的な収益が必要です。このため7つの指標の一番目にビジネスモデル・生産性があるのは大きな特徴です。ダイバーシティ&インクルージョンとは耳慣れない言葉ですが、社員の全員が個性や経験等を活かして活躍できるように支援をおこなっていることを評価する項目です。

認定基準   

1つの指標毎に10の設問があり、全部で70点になります。会社規模が100名未満の会社では30%以上の21点が認定基準です。ただし「労働法遵守」は満点が必須です。つまり労働法は全項目をクリアして、それ以外の設問で60点中11点を取ればよいのです。とはいえ簡単ではありません。審査は無料です。興味のある会社さんには一度審査を受けてみることをお勧めします。

まとめ   

中長期的に人材不足になることが指摘されています。規模の小さい会社は大企業に比べて、会社の規模だけでハンディを背負っています。求職者はもちろん在職者にアピールするために「ホワイト企業認定」の取得は効果を発揮しそうです。

認定を取得している企業は現時点で100余社とまだ少数です。逆に少数の内だからこそ早期の認定取得は強いアピール材料となり得ます。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。

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