時間外労働時間

Q: 終業後に仕事もないのに会社に残り、帰り間際にタイムカードを打刻する社員がいます。残業手当の支払いは必要ですか。

A: 支払いが必要になる恐れがあります。これを防ぐには対策を講じる必要があります。

会社は社員の労働時間を管理する義務があります。御社がタイムカードで労働時間を管理しているときは、タイムカードに打刻された始業から終業までの時間から休憩時間を除いた時間が労働時間になります。終業後も会社に残り、仕事をしているのか遊んでいるのか分からないとしても、時間外労働と見なされる恐れが多分にあります。

次のような対策があります。

① 特定の社員が仕事もないのに会社に残っているときは、その社員に「残業禁止命令書」を交付します。

② 多くの社員が仕事もないのに会社に残っているときは、残業申告制または許可制を導入します。事前に残業の申告をさせ、許可制ではこれに承認を与え、翌日に実績報告を求める制度です。つまり、タイムカードは単なる出欠記録として、時間管理は所定労働時間と残業の申告、実績報告で行うことになります。残業報告がない時間は時間外労働時間となりません。

この対策で大事なことは、運用をしっかりすることです。「残業禁止命令書」を交付しても居残りを許したり、残業申告制・許可制を導入しても制度が形骸化したりサービス残業を強いたりしていては、労働時間を管理していることになりません。そうなるとタイムカードの打刻時間が、労働時間の有力な証拠となって元の木阿弥です。

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