毎日コミュニケーションズが運営する情報提供メディアCOBS ONLINEは20代男女を対象とした「今の会社に改善してほしいこと」のアンケート結果を発表しました。経営者には耳の痛いこともありますが、経営改善の参考になりますので、紹介します。
ワーストランキングは
アンケートは平成22年4月28日~5月11日にインターネットの会員を対象に行われました。複数回答可で「今の会社の嫌な点・改善したい点は何ですか?」の問いに男女別に次の結果が出ています。
■ 男性(269名)
- 1位 給料が安い 45.0%
- 2位 残業代が出ない 23.1%
- 3位 有給休暇が使いにくい 21.2%
- 4位 成果が給料に結びつかない 16.7%
- 5位 残業・休日出勤が多い 15.6%
■ 女性(686名)
- 1位 給料が安い 47.5%
- 2位 有給休暇が使いにくい 21.4%
- 3位 ボーナスが少ない 19.2%
- 4位 残業代が出ない 15.9%
- 5位 福利厚生が充実していない 14.6%
男女ともに「給料が安い」が第1位になっていますが、「残業代が出ない」、「有給休暇が使いにくい」が上位に入っていることは要注目です。
給料が安い
給料は安いより高い方がよいに決まっています。それでは、給料の安さが人材の流出に繋がるかと言えば、不満の上位に位置している割に「流出は少ない」とは筆者の感覚です。しかし、次のケースに該当あるいは該当すると社員・職員が思ったときは、適切な手を打たないと本当に人材が流出します。
- 求人広告の給料額より低かった
- 納得していないのに給料を下げられた
- 給料は安いのに、会社や社長は裕福だ
- 日々の生活費が賄えない
- 最低賃金法の基準額を満たしていない
残業代が出ない
残業しても残業代や割増手当が出ないことは致命的な不満になります。「労働をタダでやらされている」、「嫌な仕事を強いられている」、そんな感覚を持ったままで、一所懸命に仕事をする人はいません。辞めてしまったり、目が届かないところでサボったりすることにつながります。労働基準法で決められている最低基準にも満たしていない労働条件で、いい仕事を期待すること自体、所詮無理なことでしょう。
業務改善を図って残業時間を減らし、その上で必要な残業代・割増手当をきちんと支払うことです。
有給休暇が使いにくい
「有給休暇を使わせてくれない」とか、「有給休暇制度がない」とかの話を聞くことがあります。労働基準法で権利として保障されている有給休暇が使えない状態にあっては、残業代と同じく、いい仕事を期待することの方が無理というものです。気持ち良く有給休暇を利用できる制度を作り、リフレッシュした気持ちで仕事に打ち込める職場環境を整備することは経営者の重要な役割です。
今回は、「今の会社に改善してほしいこと」のアンケート結果を通じて、社員・職員の致命的な不満要素と、その解決策の一部を紹介しました。