2月号 自然退職

2016年2月(第81号)

会社と社員の雇用契約が解消されることが退職です。退職の種類には、①自己都合退職、②解雇、③合意退職と④自然退職があります。今回は、自然退職について考えてみます。

 自然退職とは

上に示した4種類の退職の内、①~③の退職には、会社、社員の一方または双方の意思が入っています。①の解雇は、会社の一方的な雇用契約解約の意思により、反対に②の自己都合退職すなわち辞職は、社員の一方的な雇用契約解約の意思により雇用契約を解約することです。そして③の合意退職とは、双方の雇用契約解約の意思により、雇用契約が解約されることで、いずれの場合にも、解約の意思が存在します。
これに対して自然退職とは、社員も会社も雇用契約を解約する意思がないにもかかわらず、ある一定の条件が満たされることにより雇用契約が自然に解消されることによる退職です。

 当然の自然退職

1)社員が死亡すると、当然に雇用契約は解消されますので、死亡した日またはその翌日に退職となります。
2)役員に就任すると、従業員から経営者に立場が変わります。この場合も雇用契約は解消され、退職することになります。役員に就任しても同じ会社に勤めている感じがするので退職の意識がない方もいますが、従業員ではなくなっています。労働基準法の適用もありません。

 会社の規則による自然退職

3)定年退職は会社が定めた年齢に達すると、本人の能力や健康状態、意欲に関わらず退職となる制度です。
4)休業期間の満了時退職は、休業期間の満了時に休業の原因が解消していないとき退職となる制度です。
5)欠勤退職は、正当な理由もなしに基準日以上欠勤したときに退職となる制度です。
6)成績不良退職は、業務成績が会社の定めた基準を下回ると退職となる制度です。

 自然退職規則の定め方

規則で定める自然退職の基準は、就業規則に記載して、これを周知することにより発効します。基準の決め方には法的制限と、民事的な制限が課せられます。
定年年齢は高年齢者雇用安定法により60歳未満とすることができません。60歳以上であれば、法的には自由に設定することができます。
民事的な制限としては、労働契約法の不利益変更に対する規定があります。就業規則は、会社が一方的に制定・変更することができますが、制定・変更の必要性と社員の被る負担とのバランスが悪いと無効となる恐れがあります。
もう1つの民事的な制限として、公序良俗に反する規定は無効とされます。
自然退職規定を定めるときに、法的規制は遵守することは当然として、その他は基準の根拠をしっかりと社員に説明することが重要です。さらに基準に達する可能性がある社員には、その前に通知を行い、退職を回避する手段を提供することが、トラブル防止の観点から必須です。

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