11月号 ワークライフバランス

ここ数年、会社に於けるワークライフバランス活動が注目されています。ともすると、大会社の活動と思われがちですが、中小規模の会社だからこそ必要な活動です。

ワークライフバランスの起源

元々は、1980年代のアメリカで労務管理の一策として導入された概念です。「仕事と私生活との両立」を意味しています。日本では、平成19年の12月になって、政府が「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を策定したこともあってこの言葉が定着しました。

ワークライフバランス活動とは

個々の会社、とりわけ中小の会社にとってワークライフバランスとは、優秀な人材を集め、かつ定着させるための労務管理施策と考えて間違いないでしょう。このための「働きやすい職場環境の整備」が、ワークライフバランスの中心的な活動です。これは、少子高齢化の中で会社を順調に発展させるために避けて通ることのできない活動です。

さいたま市の先進会社

当事務所の地元さいたま市でも多くの会社がワークバランス活動に取り組んでいます。その中で、中小規模の会社を3社紹介します。

  • (株)コッコト(さいたま市中央区):
    社員12名の経理・事務代行会社です。その他に、イベント・セミナーの企画運営、各種コンサルタントを手掛けています。子供がいても安心して働けるように会社内に保育室を設置しています。その他、多様な勤務制度を整備して柔軟な働き方を可能にしています。平成20年設立と創業まもない小規模会社に関わらず求人に応募者が殺到しているといいます。
  • (有)雪山堂(さいたま市緑区):
    社員12名の額縁・絵画販売会社です。小さい子供を持つ女性社員に対する両立支援として、社員と一緒に保育所探しをしたり、短時間勤務、土日祝日の勤務を外したりとの配慮をしています。短時間勤務社員は周囲の人に迷惑を掛けないよう一所懸命に働くので、社員同士の関係が良くなる効果があり、また社員が辞めずに働くことにより大きなメリットがあるとしています。
  • (株)太陽商工(さいたま市緑区):
    社員数54名の給排水や空調工事を手掛ける建設会社です。「中小企業は働きやすさが一番」と断言する社長の下で、出産休暇、育児休業、看護休暇、時短勤務、介護を抱えた社員の残業制限など社員の困っていることを一つひとつ解決することで長く働ける環境を整備してきました。そのため、社員定着率のアップ、若手の採用が順調との効果を出しています。

無理なく行うワークライフバランス活動

今回紹介した3社に限らず、ワークライフバランス活動に積極的な会社は、決して潤沢にお金を使っている訳ではありません。「社員を大切に」の思いで、会社にできることを、無理をしない範囲で行っているとの感を強くします。まずは社員のために、社員が働き続けられる環境を提供するための施策を一つひとつ身の丈に合うように実現していくことが出発点のようです。

☆ 先進会社の取り組みは、内閣府 仕事と生活の調和推進室のホームページを参考にしました。

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