Q: 会社ではお昼の弁当を取っている人に補助金を支給しています。これに対して福利厚生は社員全員に支給すべきなのに弁当を取っていない者には不公平なので廃止してほしいとの声がでています。どうしたらよいでしょうか。
A: 食事代補助の問題は歴史的な背景もありますので、状況を確認してから存廃を判断したらよいでしょう。
廃止の検討する前に、次のことを確認しては如何でしょうか。
- 制度を導入した背景
- 導入時と現在の状況の変化
制度を導入するには当然に理由があります。しかし、その理由が現在では意味がなくなっていることがあります。そのときは、存続に合理的な理由がないことになります。
食事代補助は福利厚生なので社員全員に支給すべきではないかとの意見ですが、確かに福利厚生ならば「社員全員が対象」は正解です。しかし「社員全員に支給」とは違います。
福利厚生は色々な種類があります。例えば、
- 通勤交通費
- 社宅費
- 慶弔見舞金
- 社員旅行費
- 食事補助費
等が挙げられます。
ここで分かるように、社員全員が対象であっても全員が支給を受ける訳ではありません。条件を満たした人だけに支給することは決しておかしくありません。
不公平なので廃止して欲しいとの声も、支給を受けていない者からすれば理解できます。今となっては存続に合理的な理由が十分にないのであれば、廃止に向けて検討することになりますが、実際に廃止するとなると不利益変更の問題が生じます。
これをクリアするには、説明会や支給対象社員とのコミュニケーションを通じて理解を得る努力が必要です。その上で、
- 代替措置
- 激変緩和措置
等を検討し、就業規則等に記載があればそれを改正して、円満に廃止することになります。
(2024年 7月)