障害補償年金

(Last Updated On: 2018年7月30日)

一人親方の方から社会保険労務士の私のところに相談があった。

この方は、建設会社の下請け会社の下請けとして現場に入り、トイレで滑って負傷した。

当初は、少し痛いだけだったので我慢していたが、その後にだんだんと痛みが増し、仕方なく近くの病院で受診したところ、脊髄が損傷を受けているとの診断結果。

その病院では手に負えないと大宮日赤病院に搬送され手術を受けた。

手術しても機能の回復はできず、今は車椅子生活を余儀なくされている。

怪我をしたのが、3年半前、手術を受けたのが3年前とのこと。

生活保護の受給者で治療費は掛からなかったので、再度下請けで働く時の支障にならないようにと当時は怪我を会社に話していなかったと言う。

相談の内容は、今からでも何らかの補償を求めることはできるか、とのこと。

業務中のケガで休業をしていたのだから、労災保険の休業補償給付、療養費はありうるが、既に2年の時効により権利は失われている。

会社に対しての損害賠償の請求も、既に3年の時効が成立している。

車椅子生活で、これ以上の機能回復は望めない、つまり治癒した状況なので労災保険の障害補償年金の可能性はある。障害補償年金は時効は治癒後5年間である。

労働基準監督署に相談したところ、障害補償年金の申請は可能だが、トイレで滑ったことと障害の因果関係を監督署が確認できるか否かがポイントになるとの返答。

相談者に、その旨と、障害補償年金が支給されたとしても、その額が生活保護で貰っている金額よりも少ないときは、その全額が生活保護費から控除されることを伝えたところ、諦めますとの返答であった。

結局、相談者の力になれなかったことが悔しかった。

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