契約社員の解雇

Q: 1年の有期契約で雇い入れたパート社員がおしゃべりばかりして仕事をしてくれません。14日以内であれば解雇できるでしょうか。試用期間は3ヶ月です。

A: 残念ながら簡単に解雇することは困難です。

14日以内のときは解雇ができるというのは、労働基準法の「試用期間14日以内の解雇では30日以上の予告が必要ない」とする、単なる解雇の手続きの話です。1年の有期契約とは、会社は途中で解雇することはできませんし、社員も一年間は辞めることができません。これが原則です。

これが原則ですが、原則には例外があります。民法という法律の第627条では、有期契約であっても「やむを得ない事情があるとき」は、会社と社員の双方ともに解約の申し出ができるとしています。その上で、この事情がいずれかの責任によるときは、相手に対して損害賠償をしなければならないとしています。

採用したパート社員がおしゃべりばかりして働かないことが、「やむを得ない事情」となりうるか、そのとき、その責任はパート社員なのか、会社なのか。難しいところです。

今の日本の社会では、有期雇用でなくても解雇は難しいことになっています。それが原則として解雇が禁止されている有期契約の社員を解雇することは、たとえ試用期間であったとしても困難と言えます。

どうしても雇用を継続することが難しいときには、①具体的に仕事をするように指導をして、②指導記録を残し、③改善されないときは懲戒処分を課し、④始末書を取ります。④改善されないときは、①から④を繰り返します。⑤それでも改善の見込みがないときは事情を説明して退職を勧め、⑥応じないときに初めて「やむを得ない事情」として解雇することになります。それでも裁判になったら100%解雇が認められると保証はできません。

なんとも理不尽な話しと思われますが、そのような社員が入ってこないよう細心の注意を払うか、採用時は1ヶ月のような短期間の有期契約とするしか方法がないようです。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。

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