計画的有給休暇

Q: この4月から計画有給休暇制度を導入し、8月の3日間を指定有給休暇にする案を社員に図りました。すると、10月に付与された有給休暇の大半を既に使い切った正社員から、「8月に3日間を計画有給休暇で消化すると、5日間の自由に使える有給休暇がなくなり、違法だ」と言われました。本当に違反でしょうか。

A: 違法ではありません。

労働基準法の年次有給休暇は原則として社員の申請時期に休暇を与えなければなりません。しかしながら計画有給休暇制度を定めた労使協定があれば、繰り越し分を含めた年次有給休暇の内、5日間を超える部分については会社が時季を指定することができるとしています。
違反だと言ってきた社員は、正社員ですから10月に少なくても10日間の年次有給休暇を付与されています。残日数に関わらず、3日間の計画有給休暇を指定されたとしても7日間は自由に申請できる(できた)年次有給休暇があるので、法違反にはなりません。

今年4月に入社した社員は、8月には未だ年次有給休暇が与えられていないので、計画有給休暇制度の対象でありません。何らかの配慮が必要です。その日を一斉休業日とするには、休業手当の支払いが必要になります。

既に大半の年次有給休暇を使い切った社員にとって、3日間の指定は残の休暇が不足し欠勤となることも考えられます。とは言え、有給休暇を使い切ってしまった社員だけに特別に有給休暇を与えることは、年次有給休暇を使わなかった社員との公平性の面から難があります。

8月に残有給休暇がない社員がいるのは、計画有給休暇制度の導入が急であったことが原因です。この4月から導入し8月に指定することの必要性を見直し、必要性が左程に大きくなければ、実際の指定時季を半年ないし1年遅らせることも検討して下さい。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。

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