育児休業明け直後の離職

Q: 育児休業を終えてようやく職場復帰した社員が、通勤時間が長いこともあって離職しました。雇用保険の基本手当を受給することはできるのでしょうか。

A: 受給要件の緩和措置が適用されて基本手当を受給できることがあります。

一般に離職前の24ヶ月間を被保険者期間の算定対象期間と言います。雇用保険の基本手当は原則として算定対象期間に11日以上就業した月が12ヶ月あることが必要です。出産に伴い産前産後休業と育児休業で一年以上休業したときには、この要件を満たすことができません。このようなケースを救済する目的で受給要件の緩和措置が設けられております。

受給要件の緩和措置では、産前産後、育児休業等で30日以上連続して給与の支払いがなかったときに、その日数を算定対象期間に加えることができます。例えば6週間の産前休業に続き、産後休業、育児休業を子が一歳になる前日まで取ったときは、その日数を24ヶ月に加えた期間が算定対象期間となります。

受給要件の緩和措置は出産に伴う休業の他に次の場合にも認められます。

  •      傷病による休業
  •     会社の休業
  •     会社命による外国勤務
  •     労働組合の専従役員
  •     取締役としての出向
  •     その他、ハローワーク所長がやむを得ないと認めるもの

緩和措置の適用を受けるためには、離職票にその旨を記載すると同時に事由を証する書類を添付することになります。育児休業手当の支給を受けているときは、この事由をハローワークで確認することができますので、「育児休業手当支給申請済み」と記載するだけで済みますが、例えば傷病手当金を受給していたときは支給決定通知書のコピーを添付することになります。その他の事由のときにどのような書類が必要になるかはハローワークに確認します。

実際に基本手当を受給できるのは受給要件を満たした上で、働く意思と能力があり、かつ求職に努力したにも拘らず働く先が見つからない状態のときです。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。