1月号 Q12(キュー・トゥエルブ)

2022年 1月(第152号)

今回、紹介するQ12(キュー・トゥエルブ)は、社員の幸福度あるいはワーク・エンゲージメントを測定する方法として開発されたものです。社員満足度を向上させる指標として特にアメリカの多くの優良企業で使われています。

Q12(キュー・トゥエルブ)とは

アメリカの調査会社ギャラップ社が全世界1,300万人を対象に調査して導き出した仕事に対する幸福度を測る12の設問がQ12です。たった12問に「完全に当てはまる(5点)」から「完全に当てはまらない(1点)」の5段階で答えるだけです。それだけで幸福度が分かるのかと俄かに信じられないところですが、質問内容を見ると、成る程と納得させられます。

Q12の内容

Q1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている
Q2:仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている
Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
Q4:この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
Q5:上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ
Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる
Q7:職場で自分の意見が尊重されているようだ
Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
Q9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
Q10:職場に親友がいる
Q11:この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった
如何でしょうか。考えさせられる内容です。

Q12の活用方法

日本の会社でも四半期ごとにQ12に答えてもらい、社員幸福度の定点観測を続けているところがあります。とは言え、これまで設問の様な内容に注意を払ってこなかった会社がQ12の用紙を急に配って幸福度調査をすることはお勧めできません。社員への調査をする前に、設問の1つ1つに対して、①会社の現状はどうか、②社長自ら、あるいは管理職の 方向性はどうか、③調査をしたら社員は一体どのような回答をするであろうか、等を吟味することが有効です。Q12の設問を意識して会社を運営することにより社員の意識は大きく変わります。

社員への幸福度調査は、①調査目的の説明、②心理的安全性の確保、がなされてから行うとしても遅すぎることはありません。

まとめ

Q12の設問に対して、初めから高い点数を期待してはいけません。すべてを5点とすることはとても困難とされています。もし定点観測ができる状態ならば、前回よりも今回、今回よりも次回と幸福度が上向くように地道な労務管理の改善を図り続けることこそがワーク・エンゲージメントの向上、つまり会社と社員の成長に繋がります。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。

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