9月号 こころの耳

2013年9月(第52号)

元気そうに働いていた社員が突然休み始め、しばらくすると「2ヶ月の療養が必要」とのうつ病の診断書が送付されてくる。そんなメンタルの問題で休職に至るケースが珍しくありません。今回は、メンタルの問題を専門に扱っているインターネット上のサイト「こころの耳」を紹介します。

「こころの耳」とは

「こころの耳」は、(社)日本産業カウンセラー協会が厚生労働省の委託により、ストレスやうつ病などのメンタルヘルス不調の予防を総合的に支援するサイトです。①働く人、②その家族、③会社の経営者・管理者および④メンタル不調者の支援者のそれぞれ向けに情報を掲載しています。チェックリストによる自己診断や動画による解説等を含め、メンタルヘルスの入門用として使いやすくできています。また、より専門的な知見が必要な方には相談できる機関を紹介しています。

本格的にメンタルの問題に取り組んでいない経営者用に3つ項目を取り上げました。

 

15分でわかるラインによるケア

中小の会社では経営者も管理者としてラインの一員となっているでしょう。ラインによるケアでは、経営者や管理者が「いつもと違う」社員に早く気づくこと、社員からの相談への対応、職場組織への対応、更に社員への職場復帰への支援などについて学びます。e-ラーニング方式になっていますので、力まないで学習を始めることができます。学習した結果を確認するためのクイズもあります。

 

実践!メンタルヘルス対策の進め方

「15分でわかる・・・」が、極入門編であるのに対して、「実践!メンタルヘルス対策の進め方」は、もう少し踏み込んだ内容になっています。「企業のメンタルヘルス対策の必要性とリスクの理解」から始まり、計画の策定からブラッシュアップまでをアニメーションやクイズを折り混ぜながら最低学習時間52分にまとめています。設定場面が大企業になっているために中小の会社ではピンとこない点はありますが、内容は良くできています。

 

職場の快適度チェック

メンタルヘルス対策に取り組む際に、第一に行う自社の課題を摘出するためのチェックリストです。自社の強み・弱みを確認することや、経営者・管理者からみた会社の側面と、社員からみた側面とを比較することができます。データをグラフ化するためのエクセルファイルが用意されています。

「事業場の取り組み事例」にこのチェックリストを活用した課題の抽出や取組み方法の事例が掲載されています。色々な業種の社員数15名から1,000名を超えるまでの会社の結果を閲覧することが出来ます。

 

社員をメンタルの問題で失わないために

メンタル不調が他の業務上の怪我や疾病と違うのは、前者は会社環境だけが原因で起きている訳でないことです。個人的な悩みや家庭の問題が原因になることも少なくありません。しかし、それだからと言って会社がメンタルの問題を放置しておくことは、長い時間をかけて育ててきた社員を突然失うことにつながります。

メンタルの問題は誰にでも、またどの会社でも起き得ることです。問題が表面化する前に、メンタルヘルスへの正しい認識を経営者が持つことは大変意義深いことと言えます。

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