Q: 7年前に1日5時間、週3日の契約したパート社員がお子さんの成長に伴い勤務時間が徐々に増え、今では1日7時間、週4日ぐらいになっています。雇用保険に加入させた方がよいでしょうか。
A: 雇用保険は強制加入の保険制度です。要件を満たしていれば選択の余地はありません。
雇用されている労働者は、本人や会社の意向に関わらず原則として全員が雇用保険の被保険者となります。ただし、被保険者となれない、いわゆる適用除外のケースがあります。その一つが週の所定労働時間が20時間未満のときです。
ご相談のケースでは、入社当時は週に15時間の勤務でしたので雇用保険に入ることはできませんでした。しかしながら、勤務時間が徐々に増えて今では週に28時間ほどになっているので、どこかの時点で適用除外が外れて雇用保険に加入しなければならない状態になっていたことになります。
今から過去に遡って加入させるための方法は次の2つです。
① 勤務状況が安定的に週20時間以上になった時点をタイムカード等で確認し、その時点で雇用条件が変更されたとして雇用条件通知書を交付し、その日を雇用保険の資格取得日とします。この雇用条件通知書と、それ以降のタイムカード、賃金台帳と遅延理由書を資格取得届に添えてハローワークに提出します。
② 勤務状況が安定的に週20時間以上になった時点を決めかねるときは、ハローワークの職権で資格取得日を決定してもらうこともできます。このときは、2年分のタイムカード、賃金台帳、遅延理由書を資格取得届に添えてハローワークに提出します。ただし、ハローワークの職権で資格取得日を決定する制度は、会社が雇用保険に加入させないために労働者がハローワークに確認を求める労働者救済の色合いが強いものです。できれば①の方法を取りたいものです。
資格取得の時期は、どちらの方法でも2年間しか遡ることができません。
過去に遡って資格取得したときは、ハローワークから労働局にその旨が報告され、労働保険の不足分が発生したときは、修正申告をして差額分を支払うことになります。