社会保険の喪失

Q: 現在、週4日で勤務しているパート社員が平日1時間減らした勤務にしたいとの申し出がありました。その場合、週の労働時間が30時間を下回ってしまうのですが、その時点で社会保険は喪失するのでしょうか。

A: 100名未満の会社では社会保険は喪失することになります。

現在のパート社員の雇用契約条件は勤務実績からして、
    8時間/日 × 4日/週 = 32時間/週
と推測しています。
1時間減ると週28時間で正職員の75%未満となり、社会保険の加入要件を満たさなくなります。満たさなくても、年間収入が130万円の壁(月108,333円)を超えていると扶養になることもできず、国民健康保険への加入が必要になります。

以上は、被保険者数が100名未満の会社での話です。100名以上の会社、令和6年10月以降は50名以上の会社では週の労働時間が20時間で社会保険への加入が義務化されていますので、週28時間の方は社会保険に加入し続けることができます。

また、被保険者数が100名未満の会社でも、労使が合意して任意特定適用事業所になると、週20時間以上で社会保険に加入できます。ただし、「任意」とはなっていても、これは適用事業所になるときのことです。適用事業所になると週20時間以上のパート社員は全員が社会保険に加入しなければなりません。

もう一つの社会保険を継続できるのが短時間正社員制の導入です。①期限の定めのない雇用契約、②時間当たりの基本給、賞与・退職金等の算定方法が正社員と同等が就業規則・賃金規程等で明確に定められ、実態も規程に即したものであることが短時間正社員の要件になります。短時間正社員は労働時間に関係なく社会保険に加入できます。

(2024年 3月)

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