Q: 通勤費を現行の1ヶ月定期代支給から6ヶ月定期代支給に変えた場合、退職時の精算はどのようにするのでしょうか。
A: 色々な精算方法がありますが、退職時に精算分を給与から控除する方法が確実です。そのためには就業規則の変更及び賃金控除協定が必要になります。
次のような精算方法が考えられます。
1) 勤務最終日に定期券の返還を受ける。返還された定期券を会社が払い戻す。
2) 本人が払い戻し、払戻金を会社に返納させる。
3) 未使用期間分の定期代を月割もしくは日割りで割り出し、次回の給与から控除する。
4) 払戻金額を算出し、払戻金相当額を次回の給与から控除する。
1の方法は、帰路の交通費を支払い、会社が払い戻しをします。ケースによっては購入した窓口、または本人でしか払い戻しができないことがあるので注意です。
2の方法は、返納がうまくなされない恐れがあります。
3の方法は、精算額にたいして払い戻し額が少額となるために社員から不満が出たり、トラブルに発展したりすることがあります。
4の方法は、払戻金相当額の算出計算書を交付し本人に説明すれば納得を受け易く、確実な方法です。
いずれの方法でも就業規則等によるルール化が必要になります。また、精算金を給与から控除するためには、労働組合か労働者の代表と賃金控除に関する協定を締結し、定期代の未使用分の精算金を給与から控除する旨を記載した「賃金控除に関する協定書」を残しておくことが必要になります。
(回答:2020年12月)