12月号 ワークエンゲージメント

2021年12月(第151号)

働くことの価値観が多様化するに伴ってワークエンゲージメント(WEと略す)の向上が重要といわれるようになりました。今回はWEの重要性及び測定方法を紹介します。

WEとは

エンゲージメントとは本来は「約束」とか「婚約」とかの意味です。ビジネス用語に転じて「つながり」との意味を持ち、これにワークがついて、仕事と社員の関係を示す概念として使われています。社員が仕事に対して前向きで活き活きと取り組んでいる状態をWEが高いと言います。
この概念が重要視されるようになったのは、社員の仕事に対する価値観が多様化したことと言われています。かつては多くの社員の人生の目標が「出世の階段を人より早く昇って高い収入を得ること」のようなところがありました。現在では収入はある程度にあればよく、「やりがいのある仕事をしたい」、「家族との生活を充実させたい」と人により目標が異なってきています。

WEが高い状態

「社員が仕事に対して前向きで活き活きと取り組んでいる状態」がWEの高い状態と上述しました。この状態での会社側のメリットは、①生産性、②定着率、③業績、および④企業価値の向上があります。同時に社員側のメリットには、①仕事や会社への満足感、②心と体の健康、③ワークライフバランスの実現があります。

WEを向上させるためには

仕事の要求度と資源のバランスによってWEは高まったり低まったりすると言われています。仕事の要求度、つまり仕事に要求されるスピードやノルマ、あるいは質が過大になるとWEは低下します。一方の資源には設備やスキル向上のための教育、良好な人間関係、あるいは上司の優れたマネジメント等があります。資源が豊かであれば、仕事の要求度が多少高まってもWEは低下することはありません。逆に仕事の要求度が高いのに資源が乏しくバランスが狂うと、ワークホリックや燃え尽き症候群あるいはうつ病を発症したりします。そこまでいかなくても、社員は離職したり無気力になったりしてしまいます。
WEを向上させるためには、仕事の要求度に応じて資源を適切に提供することに尽きます。

WEの測定方法

WEの向上を図るには、現在および施策後の状態を測定する必要があります。今日、多くの会社からWE測定サービスが提供されています。この提供を受けることもよい方法ですが、無料で直ぐにできる方法としてギャラップ社の「Q12(キュー・トゥエルブ)」がお勧めです。これは、たった12の質問にYesかNoで答えるだけでWEを測定するものです。例えば、1問目は「職場で自分が何を期待されているのかを知っている」、12問目は「この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった」といった具合です。「Q12(キュー・トゥエルブ)」については後日改めて紹介することにします。

まとめ

社員は会社の財宝です。この財宝をより光り輝かせるのは会社の施策次第です。WE向上に配慮した充分な資源を提供して、会社の発展と社員の幸福を実現して欲しいものです。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。

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