ときどき、顧問先でない会社の社員から相談の電話を貰うことがあります。
今回、女性の方から相談を受けました。
その方は、正職員として医院に5年勤めていましたが、体力的な理由で週2日間のパートタイマーに転換してもらいました。
週に2日間でしたので、離職票を発行してもらいました。
その後、事情があって医院をやめることにしたので有給休暇を申請しようとしたところ、医院の顧問社会保険労務士から、退職して離職票も発行しているので正職員時の有給休暇は消滅していると言われたそうです。
その真偽を確認するための電話でした。
この場合、相談者の話が本当であれば、雇用関係が正職員のときから継続していますので、有給休暇の勤続年数も継続し有給休暇が消滅することはありません。
医院の顧問社会保険労務士が、この様な発言をした理由は次のいづれかでしょう。
① パートタイマーに転換した事業を把握していなかった
② 離職票の発行をもって、雇用関係が一旦中断されたと誤解した
③ 労働基準法上の勤続年数の概念を理解していなかった
④ 顧問先の医院の利益を優先した
①や②の理由であれば、確認不足の責はありますが、まだ許されます。
③も労働基準法をよく知らなかったこともあるので、今後勉強することで許されます。
もし、④の理由でこのような発言をしたとなると、虚偽の指導をしたことで社会保険労務士の倫理規定に抵触することになります。
また、医院の職員に対する信頼関係を壊すことになりますので、医院に対してもデメリットを与えることになります。
我々、社会保険労務士は会社とそこで働く社員の両方の味方となりたいと日々意識しております。
その意味で、考えさせられる相談でした。