社員を解雇できますか

お客さんに大きな迷惑を掛けても改めようとしない社員、備品や金銭を私的に流用している社員、酒気帯び運転を繰り返す運転手の社員がいても、単純にすんなりと解雇できる訳ではありません。会社と社員とは民法上はお互いに対等の立場で雇用契約を結んでいるのですが、解雇は会社の一方的な契約解約です。会社の給与を生活の糧としている社員からすれば、一方的に契約解約を受ける立場はやはり弱い立場にあるといえます。解雇が社員に与える影響は重大です。そのため、法律は弱い立場にある社員の身分を保障するために、会社による解雇権乱用に歯止めをかけています。解雇権濫用とみなされる解雇はできません。

「解雇権濫用とみなされる解雇はできません」ということは、裏を返せば、「解雇権濫用でない解雇」は「できる」ということです。社会保険労務士として解雇を奨励している訳でありません。が、会社のためにやむを得ず解雇しなければならない場面で、もし解雇ができないことになれば、これは会社にとって由々しき事態と言えるでしょう。

解雇には、3つの種類があります。普通解雇、懲戒解雇、整理解雇です。どの解雇でも、その理由が客観的に正当でないときは解雇権濫用と判断される可能性が高くなります。例えば、懲戒解雇は、会社の規則等に著しい違反を理由とする解雇です。しかし、会社の規則が就業規則等に明示されていなければ、一般常識で懲戒解雇に値するだけでは解雇は難しいでしょう。会社や業種によって社員の守るべき事項や、してはいけない事項が違います。筆者は、これを「著しい労務側面」と名付けて、特定と評価しておくことを勧めています。そして、「著しい労務側面」を厳重に管理する一方で、これをどうしても守れない社員は懲戒解雇することを就業規則に明示しておくのです。就業規則はこの場面で極めて重要です。就業規則に明示することは、会社防衛上極めて大切なことです。このように就業規則を整備しておけば、万一、この規則に違反する社員が出てしまい、やぬを得ず懲戒解雇しなくてはならない事態に陥った時に、トラブルを最小限度にできるわけです。

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