濃厚接触者

Q: 成人式で社員の娘さんが新型コロナウイルスに感染しました。社員は濃厚接触者としてPCR検査を受け幸いにも陰性でしたが保健所から10日間の外出禁止要請を受けました。会社としては10日間の外出禁止が明けても、それ以降での陰性が証明されない間は出勤停止とします。給与の支払いは必要ですか。
 

A: 外出禁止明けの出勤禁止期間に関しては、休業手当の支払いが必要です。

 

社員が感染したときや、濃厚接触者として外出禁止要請を受けて出勤できないのは会社の責任で休業させている訳ではないので休業手当の支払いは義務とされていません。通常の病欠と同じ扱いができます。ところが、外出禁止が明けても「陰性が証明されない間は出勤停止とする」ことは、会社内で感染が広まることを防ぐために必要な措置と考えられますが、一方で社員の就業の機会を奪うことになります。この場合、出勤停止措置は「使用者の責に帰すべき事由」による休業命令となります。

休業命令自体は違法ではありません。違法ではありませんが労働基準法第26条の規定により、会社は休業させた日数について少なくとも平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければなりません。

休業手当を支払ったときは、雇用調整助成金の休業対象になります。雇用調整助成金の支給要件を満たしていれば、休業手当の一部は助成金として受け取ることができます。

なお、外出禁止要請を受けている濃厚接触者に休業手当を支払ったときも雇用調整助成金の休業対象とすることができます。ただし感染が判明した後は、感染者は就労不能なので雇用調整助成金の対象外になります(感染の判明後は、健康保険に加入している社員は傷病手当金の対象になります。)。

(2022年 2月 回答)

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