5月号 変形労働時間制と時間外労働時間

2014年5月号(第60号)

一日の労働時間が8時間を超えたり、週の労働時間が40時間を超えたりする会社にとって変形労働時間制は時間外割増手当を節約できる制度です。制度の概要および時間外労働時間の計算方法を整理しておきます。

変形労働時間制とは

労働基準法では、1日8時間、週40時間を超えて労働させることを原則禁止しています。完全週休2日制を採っていない会社では、週の6日目は週の労働時間が40時間を超えます。また、事業の種類によっては、1日の労働時間が8時間を超える方が合理的な会社もあります。曜日や季節によって繁閑の差が大きい会社では、労働基準法の労働時間の原則が事業運営上で不合理となることがあります。
変形労働時間制とは対象期間を定めて、その間の週の労働時間が平均して40時間以内になるように所定労働時間を定めることの出来る制度です。対象期間が1ヶ月以内を1ヶ月単位の変形労働時間制、1年以内を1年単位の変形労働時間制と呼びます。
その他に1ヶ月以内を対象期間として、この間の総労働時間が週平均で40時間以内となるように定め、始業と就業時刻を社員の決定に委ねるフレックスタイム制があります。
また、社員数が30名未満の小売業、旅館、料理店及び飲食店には、1週間単位の非定形的変形労働時間制がありますが、この詳細は略します。

変形労働時間制の時間外労働時間とは

1ヶ月単位の変形労働時間制と1年単位の変形労働時間制の時間外労働時間の計算方法は同じです。次の3段階で計算します。
①1日単位:所定労働時間が8時間以上の日は、その時間を超えて、所定労働時間が8時間未満の日は8時間を超えて働いた時間。
②週単位:①で計算した時間を除いて、その週の所定労働時間が40時間以上の週はその時間を超えて、所定労働時間が40時間未満の週は40時間を超えて働いた時間。
③対象期間単位:①と②で計算した時間を除いて、対象期間の法定労働時間を超えて働いた時間。法定労働時間は、対象期間の週数(対象期間の歴日数を7で割って求めたもの)に40時間を掛けて求めます。
フレックスタイム制の時間外労働時間は、対象期間の総労働時間が法定労働時間を超えた時間となります。

変形労働時間制導入の留意点

フレックスタイム制以外の変形労働時間制は、基本的に社員の負担が大きい制度です。従って、社員に対して導入することの必要性を説明し、理解を求めることが必要です。特に、1年単位の変形労働時間制はより多くの負担を強いることになりますので、十分な配慮が求められます。
法的には、労使協定の締結、就業規則への規定や労働基準監督署への届が必要になるときがあります。社員の負担が大きい制度ですので、18歳未満の社員には一定の制限があります。妊産婦が請求したときにも、制限が課せられています。その他、育児や介護を行う社員や教育を受ける社員等には、その時間を確保しなければなりません。
以上のような点に留意して必要な変形労働時間制を導入することは、会社の能率を高める業務改善として意義あることと言えるでしょう。

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