12月号 改正・労働基準法を先取りで

改正・労働基準法が、いよいよ来春の4月1日から施行されます。①時間外労働の削減、②年次有給休暇の有効利用、を柱にした社員の家庭生活における質の向上を目指した改正になっています。反面、会社の経営者には荷の重い改正になっていることも事実です。とはいえ、物は考えよう。改正・労働基準法の精神を先取りしてワーク・ライフ・バランスを確保した社員満足度の高い会社を目指すことは企業体質の強化を図ることに他なりません。

時間外割増は50%に引き上げ

1ヶ月に60時間を超える時間外労働では、60時間を超えた分の割増が現行の25%から50%に引き上げられます。月45時間を超える時間外割増も現行の25%を上回る率とする努力義務が課されています。または、労使協定を締結によって、引き上げ分に相当する割増額の支払いに代えて「有給休暇を付与することができる」としています。今回の改正が賃金の引き上げよりも生活の質の向上を目指していることの現れの一つです。もっとも、50%の割増引き上げは、中小企業については荷が重過ぎるとして当分の間、猶予されることになっています。

有給休暇は時間単位で分割可能に

現行では一日あるいは半日単位で付与することになっていた年次有給休暇を、労使協定により年に5日分を限度に時間単位で付与できるようになります。会社としては、有給休暇の管理方法の改善をしなければなりません。

月80時間は過労死ライン

過労死ラインとは健康障害のリスクが高まるとする時間外労働時間を指す言葉で、月80時間です。月の時間外労働が60時間を超える状態とは、この過労死ラインにギリギリまたは、過労死ラインを超える可能性が大なる状態を意味しています。放置することは会社にとっても社員にとってもリスキーです。

改正・労働基準法を先取りで

時間外労働のある会社は、まず月60時間を超える分の時間外割増を50%に引き上げます。一緒に努力義務の45時間を超える分も引き上げます。労働基準法が中小企業に対して当分の間は50%の引き上げを猶予しているからといって引き上げを躊躇することはありません。しかしながら、その結果として、引き上げ分がそのまま人件費の増加となったのでは全く意味がありません。

ゼロベースで業務の「仕分け」を

民主党に政権交代したことを機会に国の事業の見直し、いわゆる「事業仕分け」が行われました。会社でも時間外割増の引き上げを「機会」と捉えて会社業務をゼロベースで「仕分け」するのです。

  • 前任者から引き継いだままの業務
  • 転記を繰り返している業務
  • 利益の出ない商品・サービス

見直しのための視点は種々あるでしょう。費用は掛かっても外部の中小企業診断士をはじめとするコンサルタントに入って貰うのも良い方法です。業務のスリム化ができれば、それはワーク・ライフ・バランスを確保した上での、企業体質の強化に繋がります。

今回は、改正・労働基準法の先取りを「機会」と捉えた、企業体質の強化策を紹介しました。

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