12月号 障害者の雇用義務

平成25年4月から障害者雇用促進法施行規則が改正になり、障害者の法定雇用率が引き上げられます。今回は、改正のポイント、背景および行政の支援策を中心に説明します。

改正ポイント

平成25年4月から障害者の法定雇用率が現行の1.8%から2.0%に引き上げられます。これによって、常用社員が56名以上の会社であった障害者の雇用義務が50名以上になります。該当する会社は毎年6月1日までにハローワークに対して障害者の雇用状況を報告しなければならなくなります。また、努力義務ではありますが、障害者雇用推進者の選任も求められることになります。

改正の背景

国際的に障害者権利条約の動きを無視することはできません。この条約は平成18年12月の国連総会で採択されました。「あらゆる形態の雇用に係るすべての事項に関し、障害を理由とする差別を禁止すること」とされています。

条約の批准国は既に平成24年12月現在で126ヶ国に達しています。日本は、平成19年9月に署名(条約の内容を証拠として記名すること)をしていますが、まだ批准には至っておりません。

条約の批准に向けて、労働・雇用分野では平成21年から労働政策審議会で検討が行われ、条約の実効性を担保するために障害者雇用促進法を活用する方向性が打ち出されていました。

事業者の負担

大会社であればともかく、中小の会社も障害者雇用を義務化されることは施設面、経済面だけでなく、受け入れるためのノウハウの取得の面においても大きな負担になります。そこで、行政としては、雇用に関する各種の相談窓口をハローワークに設けたり、ノウハウの取得支援を地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターを中心に行う体制を整えたりしています。また経済面の支援として各種助成金制度を整備しています。

助成金制度

主な助成金には次のものがあります。

  • 特定求職者雇用開発助成金:会社規模、障害の程度により、採用1人当たり30~240万円の助成金があります。
  • 障害者初回雇用奨励金:常用社員56名以上(来年4月以降は50名以上)の会社で、初めて障害者を雇用するときに100万円の助成金があります。
  • 職場支援パートナー配置助成金:障害者の業務を援助・指導する担当者を配置したとき、障害者1名当たり3~4万円/月が3年間助成されます。
  • その他、発達障害者雇用開発助成金、難治性疾患患者雇用開発助成金、精神障害者雇用安定奨励金、重度障害者等多数雇用施設設置等助成金、特例子会社等設立促進助成金等が設けられています。

障害者の助成金に限らず、助成金は仮に支給要件を満たしていても手続きしなければ受給することができません。常時、助成金の支給要件と自社の計画・状況をチェックして、適時に必要な手続きを取ることが必要です。

障害者雇用納付金制度

助成金制度とは別に、アメとムチにより障害者雇用の促進を図る制度があります。この制度では、障害者の雇用が不足している会社から、不足1人当たり月5万円を徴収します。逆に多く雇用している会社に障害者雇用調整金を支給します。この制度の対象会社は常用社員が200名超ですが、平成27年4月からは100名超に引き下げられることになっています。

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