5月号 1on1ミーティング

2023年 5月(第168号)

シリコンバレーで誕生し、ヤフーが導入し人材育成や業務の効率化に効果を上げたことで注目されている1on1ミーティング。今回は、その目的、導入方法等について紹介します。

1on1ミーティングとは

上司と部下の1対1で行う定期的な面談で、部下の成長をサポートするために業務上の課題や進捗状況、問題解決、目標の確認や評価などについて話し合う場です。人事評価面談が社員の人事評価を目的とした会社のための面談であるのに対して、1on1ミーティングはあくまで部下が主役の面談です。主役である社員が業務を進める上での障害を取り除いたり、よりよく働ける環境を整えたりするのが目的です。これにより①社員の成長を促す、②業務の質とスピードを向上させることが期待できます。

導入方法

導入に際しては簡単でよいので基本ルールを定めます。基本ルールの内容には最小限、①開催頻度、②1回あたりの時間、③事前準備シート、④記録方法を含めます。

開催頻度は業種や業務により変わります。週1回から長くても月1回ぐらいが効果的と言われています。1回当たりの時間は15分から30分、時間を長く取るより頻度を高くした方が効果的です。事前準備シートは、面談日時、上司・社員名の他、①部下が行ったこと・気付いたこと、②上司に聞きたいこと、③困っていること、④やろうとしていること、⑤その他の欄を記載したシートを準備し、部下が事前に記入して上司に提出します。記録は事前準備シートに上司がコメントを記入する形で残します。

上司の心構え

1on1ミーティングは部下が主役です。そのため上司には次のような心構えが必要です。

    1. リスペクト:部下のアイデアや提案を尊重する態度で臨み、非難や否定的な言動は避けます。
    2. 傾聴:部下が話すことに集中できるように聞き上手であることです。話を中断させずに、適時相槌や聞き返しをします。 自分の意見は求められるとき以外は最小限に留めます。
    3. 目標志向:上司の役割は、部下の成長や目標達成を支援することです。このため、目標達成までの障害排除のサポートを心掛けます。
    4. 真摯な態度:真摯な態度で、感情的にならず冷静かつ客観的に面談に臨みます。

部下の心構え

部下が面談を有意義にするために、次のような心構えが役立ちます。

    1. 目的の明確化:話したいことや聞きたいことを事前準備シートに具体的に記載しておく。
    2. 自己評価:面談を通じて自分自身の業務や態度を客観的に評価することです。自己評価により改善点を見つけることができれば、自己の成長に繋げることができます。
    3. 目標:自己の成長や目標達成に繋げるために、目標を持つことです。目標達成や成長について上司と共に歩むよう心掛けます。

まとめ

繰り返しになりますが、1on1ミーティングは上司の時間でなく部下が主役の時間です。上司が話をする時間でも聞きたいことを訊く時間でもありません。心理的安全性が確保され、部下が話したいことを話せる時間でなければなりません。では、心理的安全性が確保されていない会社はどうすればよいでしょうか。1on1ミーティングに魅力を感じるならば、心理的安全性の確保と面談の双方を同時並行的に進めることになります。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。

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