健康保険の被扶養者要件

Q: 社員のお子さんが加入していた健康保険を7月に労働時間が減少して資格喪失しました。この時点で支払い給与が既に130万円を超えていました。健康保険の扶養になれるのは新年からでしょうか。

A: 資格喪失後の収入が年間換算で130万円未満であれば、喪失日に遡って被扶養者になれます。

健康保険の被扶養者として認定される要件の一つが「年収130万円未満」です。この年収130万円は、過去における収入実績ではなく将来に向けた年間の見込み収入額です。税金の扶養控除の要件が年間所得実績ですので、これと混同して年間に130万円を超えたら健康保険の被扶養者になれないと誤解されている方が多くいますが違います。あくまで将来に向けた見込み収入額です。具体的にはボーナス等の収入がなければ月額収入は130万円を12ヶ月で割った10万8333円以下であれば、被扶養者になり得ます。収入要件の他に、

  • 被保険者の収入が対象者の2倍以上

の要件も満たす必要があります。

対象者が別居しているときは、更に

  • 対象者の収入が仕送り額より少ない

の要件が加わります。申請に際しては、預金通帳の写し等を仕送り額の証明のために添付することになります。

労働時間が減少して月々の給与が10万8333円以下で、かつ他の要件を満たしていれば健康保険の資格を喪失した日に遡って被扶養者になり得ます。新年を待つことはありません。

今回のケースではありませんが、退職で雇用保険の基本手当が10万8333円を超えると年間収入が130万円を超えると見做されて給付されている期間は被扶養者になれません。その間も無保険状態ではいられませんので、任意継続か国民健康保険に加入するかを選択することになります。

(2024年 1月)

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