4月号 日本でいちばん大切にしたい会社大賞

人をトコトン大切にする会社が、安定して業績を伸ばしているという経験則があります。このような「人を大切にする」会社を増やすことを目的に平成22年に「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」が創設され、この3月に第2回目の表彰式が行われました。今回は、この大賞の紹介です。

日本でいちばん大切にしたい会社大賞とは

上の経験則を見出したのは法政大学大学院教授の坂本光司氏です。氏は、40年間で6,500社にものぼる会社を訪問・調査してこの経験則を得ました。そこで、トコトン大切しなければならない人を、会社を取り巻く①社員とその家族、②下請け、仕入先会社の社員とその家族、③現在と未来の顧客、④障害者などの社会的弱者、⑤出資者や支援者としています。この人たちを苦しめて業績やシェア、ランキングを重視する経営を「正しくない」と断じています。氏を中心として創設された「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」は、まさに人の幸福を念じて日々の事業活動をしている会社を対象に表彰するものなのです。

受賞会社

経済産業大臣賞に漢方製剤医薬品メーカーのツムラ、中小企業庁長官賞にウエスや作業用手袋のリース・販売サービスを行っている日本ウエストン、実行委員長賞にファンヒーター、燃料電池システム、家庭用エネルギー機器メーカーのダイニチ工業が選ばれました。いずれも障害者の雇用を積極的に推進している会社です。さらに、審査委員会特別賞に、次の会社が選ばれました。

  • めのや(島根県松江市)
  • 山岸製作所(群馬県高崎市)
  • めがねのヨシダ(北九州市門司区)
  • 多摩草むらの会(東京都多摩市)
  • 徳武産業(香川県さぬき市)
  • きものブレイン(新潟県十日市市)
  • 徳倉(東京都江東区)

応募の要件

本賞は、応募要件に、過去5年以上にわたって、①人員整理、会社都合による解雇をしていないこと、②下請企業、仕入先企業へのコストダウンを強制していないこと、③障害者の雇用率が法定基準を上回っていること、④黒字経営であること、⑤重大な労働災害がないこと、を設けています。このように応募のハードルはかなり高くなっています。しかし、大企業でなければ応募できないものでないことは、受賞会社からも分かります。経済産業大臣賞を受賞したツムラ以外は、いわゆる中小企業です。従業員数では、山岸製作所は34名、めがねのヨシダに至っては僅か17名です。

大賞応募を目標に

この大賞に応募することは、社員を初め、会社を取り巻く人たちに強くアピールすることになります。このことが、会社を良い方向に回転させ、正のスパイラルを生んで、更に会社の業績を伸ばします。今はたとえ応募要件を満たしていない会社でも、数年後の応募を目指して日々の経営に当たられることが重要です。会社の体質強化のために、大賞応募を目標にすること強く勧めます。

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