2月号 資格手当制度

2026年 2月(第201号)

今月の事務所通信では「資格手当制度」をテーマに取り上げました。
人手不足が続く中、既存社員の能力向上と定着を図るための有効な制度として、導入のポイントや効果をまとめております。制度設計の際にご参考いただければ幸いです。

人手不足がますます深刻化する中、会社が持続的に成長していくためには、既存社員の能力向上と人材の定着がこれまで以上に重要になります。今回は、その取り組みの一つとして有効とされる「資格手当制度」を紹介します。

資格手当制度とは

資格手当とは、会社にとって価値のある資格を保有する社員、または資格を新たに取得した社員に対して支給する手当のことです。

社員を「採用しては辞める」に頼る時代は終わり、今いる社員を育てて戦力化することが企業競争力の源泉となっています。その中で、資格取得を後押しする制度として注目されています。

資格手当制度の効果

特に中小企業では、資格取得を促すことで社員のスキルアップを図り、専門性を高める有効なインセンティブとなります。資格取得に向けた学習は、社員自身の成長意欲を高めるだけでなく、業務品質の向上や顧客からの信頼獲得にもつながります。

資格手当は単なる金銭的報酬ではなく、「会社が社員の成長を期待し、応援している」というメッセージとしての役割も果たします。これにより信頼関係が深まり、離職防止にも寄与します。資格取得者が増えることで組織全体の専門性が高まり、業務の標準化や品質向上にもつながります。

制度を設計する際のポイント

資格手当を導入する際には、次の点を整理しておくことが重要です。

(1)対象とする資格の選定

業務に直結する資格、会社の将来方針に沿った資格を明確にします。国家資格だけでなく、業界団体の認定資格や実務に有効な民間資格も対象となり得ます。

また、役職やポジションに応じたメリハリも重要です。新入社員には基礎的な資格を、管理職にはマネジメントや高度な専門資格にするなど、求められる能力に応じて対象資格を変えることが合理的です。

(2)支給基準の設定

支給基準としては、①資格取得時に一時金として支給する方式と、②資格保有期間中を通じて毎月手当として支給する方式があります。いずれもメリットがあり、業務への貢献度や資格の難易度に応じて組み合わせることも可能です。

(3)資格の維持管理

更新が必要な資格については、更新状況を確認し、失効時の取扱いを明確にします。

(4)社内周知と運用ルールの整備

申請方法、必要書類、支給開始時期などを明文化し、社員が利用しやすい制度にすることがポイントです。

有効性が高い資格の例

 業種を問わず、多くの企業で評価されている資格を紹介します。

  • 日商簿記(2級・3級)
  • MOS(Microsoft Office Specialist)
  • 衛生管理者(第一種・第二種)

まとめ

資格手当制度により、会社の中に資格取得を促す雰囲気が生まれると、社員の向上心や競争心が刺激され、事業活動に好循環をもたらします。

まだ制度を導入していない会社では、ぜひ検討されることをお勧めします。

社会保険労務士丸山事務所は、「会社の発展とそこで働く社員の幸福の実現」を全力で応援します。